囲碁という単語を聞いて、全く知らない、いや聞いた事はある、はたまた自分は有段者です等様々な反応があると思います。
かくいう私は小さい頃から父に囲碁を教えてもらい、高校の修学旅行先で担任の先生と囲碁に興じ、大学は囲碁部所属、現在もたまに家にある碁盤(囲碁を打つ盤)でプロの碁を並べる事がある位、趣味の一つとしてハマっています。
そして、そんな囲碁というゲームには勝つための法則、いわゆる格言なるものが存在します。
よく人生の格言として
『世の人は我を何とも言わば言え 我が成す事は我のみぞ知る』(by 坂本龍馬)
『運がいい人も、運が悪い人もいない。運がいいと思う人と、運が悪いと思う人がいるだけだ。』(by 中谷彰宏)
などという素晴らしい名言が数々存在していますが、囲碁にも囲碁の世界独特の格言が存在します。
そこで普段囲碁をしない人にとって、なじみが薄い囲碁の格言をここでご紹介し、更にそれを人生の格言として応用してみました。
一応、ここからは囲碁を全く知らない方向けの基本的な囲碁の考えを説明させて頂いたものです。(知っている方は読み飛ばして頂いて結構です。)
囲碁は黒石を持つ人と白石を持つ人で交互に盤上に石を置いていき、自分の土地を石で囲い合って、最終的にその土地の大きさで勝敗が決まるゲームです。
碁盤の広さは 19 × 19 の正方形で 361カ所の石を置く場所が初めにあります。
そこに黒石と白石がお互いに石を置いて、自分の土地はここだと主張し合いながら戦いはすすでいきます。
今回はこちらの格言
石音の反対に打て
意味:相手が打った場所にいつもお付き合いして応じていると、相手に価値の高い場所をどんどん先攻されてしまう。相手の打った手の意図を理解し、受ける必要がなければ、別のより価値の高い場所を探して打つのが良い。
人生の格言に応用:目の前に次々に表れる仕事に対して無計画に対応していくのではなく、自分が実現したい目標を見据えて何を優先して何を切り捨てる必要があるかを考える時間を持ち、必要の無い仕事は後回しにして、より価値のある優先度の高い仕事から着手する。
囲碁の初心者から初級者において特に多いのが、相手が打った石に対して何も考えずに応じてしまう事が多いです。例えば自分の領地内に相手の石が侵入しようとする手を打ってきたら、なにも考えずにその侵入を止めようとする事等です。そうすると相手の打った石の近くに自分の石を打つ事が多い事になり、結果、相手の石音の近くに打つことになります。
しかし、中級者以上になりますと、まず、相手の打った石が 19 × 19 の広大な盤の中で、本当に今現在、価値の高い土地に侵略しようとしているのかを考えます。
例えば戦国時代になぞらえると、作物も育たない人の出入りもしずらい山間の土地に敵が侵入しようとした場合に、その土地を守るために貴重な家臣を次々と投入して守るよりも、その土地は敵にゆずっても、自分は京都等の一等地の領地をしっかり囲いにいく為に家臣を配置するという方が、将来的には有利ではないかと考えるのです。
仕事についても同じ事が言えるのではないでしょうか。
次々に届くメールに対する返信や定型書類の整理等、細かい雑務はいくらでも湧いてきます。
それに対して、逐一対応していると、あっという間に時間は過ぎ、頭も疲れて、本来とりかかるべき仕事に対する気力、体力がなくなり、良い成果をあげることができないといったケースもあるかと思います。
まずは今の自分の現状を一歩引いて見つめなおし、本当に必要な仕事や作業に自分の貴重なリソースを割り当てていく事を意識していくと、より効率的に仕事が進められます。
ぜひ、この囲碁の格言を参考にしてみてください。